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色づく季節を楽しむ

勝浦川のほとりに建つ丈六寺は県内で最も古い寺院として知られ、寺伝には650年に創建されたと記されています。本堂や三門は歴史的な建造物として国の重要文化財に指定されており、平安末期に作られた聖観音坐像など貴重な所蔵品も多いことから｢阿波の法隆寺」とも呼ばれています。県道212号に面した一の門から二の門までの参道にはモミジやケヤキ、ヤマザクラなどの落葉樹が植えられており、紅葉の時期に色鮮やかな秋色のトンネルが続きます。

とくしま植物園は自然の地形を活かした広い敷地に当地の気候風土にあった様々な植物が植えられており、年間を通して草花や樹木が楽しめる施設となっています。秋には施設入口にある北アメリカ原産のアメリカフウやラクウショウ、「生きた化石」と言われているメタセコイヤなどが色づくほか、森の休憩所へと続く散策路ではモミジや蜂須賀桜などを見ることができます。緑の相談所では親子で参加できるガーデニングや手作りクラフトなどの講座が随時催されていますので、紅葉と合わせて楽しまれてみてはいかがでしょうか。

徳島市役所の西側に隣接する幸町公園には、7本のタイワンフウが植えられています。この樹木は中国や台湾が原産で、江戸中期に日本へ渡ってきたと言われています。紅葉すると葉が深紅に染まるのが特徴で、木の上から徐々に色づいていく姿は圧巻の眺めです。秋には落ち葉が散り敷かれた公園を子どもたちが走り回り、市役所や公園を訪れる人たちの目を楽しませてくれます。

眉山の麓にある瑞巌寺は市中心市街地にもかかわらず、鳥のさえずりや湧水のせせらぎが境内に響き渡る、とても静かな寺院です。1614年に一鶚（いちがく）禅師が開山したと伝えられています。山門をくぐってすぐ左手にあるイチョウの巨木は市の保存樹木に指定されており、幹の太さは約4メートルもあります。境内には｢鳳翔水」と名付けられた眉山の伏流水が湧き出しており、誰でも自由に汲むことが可能です。地元住民はもとより、県外からも水を汲みに来るほど、長年に渡って人々から愛されている湧水なのです。