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県都を彩る

市中心部に位置する徳島中央公園は、市内随一のお花見スポットとして親しまれています。徳島城跡を利用した園内には250本を超えるソメイヨシノなどが植えられており、開花時期には桜や堀川沿いの石垣が午後10時頃までライトアップされます。水面に映る夜桜は一段と幻想的で、お花見客を魅了しています。堀川脇に建つ「鷲の門」は1945年の徳島大空襲で焼失後、市政100周年を記念して1989年に復元されたものです。園内には国の名勝に指定されている旧徳島城表御殿庭園や徳島城博物館などの見所もありますので、桜と併せてお楽しみください。

蜂須賀桜は旧徳島藩主・蜂須賀公が愛した桜で、藩政時代はごく限られた人だけが見ることを許された「門外不出」の桜だと言われています。カンザクラの近縁種で、花弁はソメイヨシノと比べて濃い紅色をしており、開花が例年2月中旬と早いのが特徴です。保護木からの苗木作りは1995年頃からはじめられ、NPO法人「蜂須賀桜と武家屋敷の会」が中心となって現在も植樹と育成が続けられています。助任川沿いに続く蜂須賀桜は2001年から少しずつ植えられたもの。今では春になると紅色に染まった桜のトンネルが楽しめるほどまで成長しています。

眉山中腹にある西部公園は、公益財団法人日本さくらの会が選定する「日本のさくら名所100選」に県内で唯一選ばれている桜の名所です。園内には約500本のソメイヨシノが咲き誇り、開花時期には街の夜景とともにライトアップされた夜桜も楽しむことができます。戦後しばらくは燃料不足による薪採取のために禿山が目立つ眉山でしたが、同公園の桜は大切に守られ、春には多くの人でにぎわってきた歴史があります。

袋井用水は水不足に悩んでいた農民のために、当時島田村の庄屋だった楠藤吉左衛門氏が私財を投じて1699年に完成させたもので、県指定文化財に指定されています。水辺沿いのソメイヨシノは地元の方々が植えたもので、現在は35本を超える桜が大きく成長し、水面に向かって枝を広げています。お花見の時期は袋井用水に隣接する公園にボンボリが飾られ、夜桜を楽しむことができます。満開になった後に現れる水面を覆う花筏も趣きがあって人気です。

眉山の山頂にひろがる公園周辺は野鳥の種類も多く、街の喧噪を離れてお花見を楽しめます。眉山ロープウエイの山頂駅から約300本のソメイヨシノが植えられている園内のお花見スポットへは、徒歩5分ほどの距離。ライトアップは実施されていませんが、眉山から眺める市内の展望もお薦めです。